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2018 2018.08.31 LIVEレポートVol.3- マーケター人生をめいっぱい楽しもう(前編)



8月1日(水)に開催されたBigbeat LIVE。10時から18時40分までという長時間にわたるイベントでしたが、東京・紀尾井カンファレンスの会場は常にほぼ満席で、最後まで熱気に溢れていました。このレポートでは、3rd Session「ライフとビジネスを”分けない”マーケターの挑戦」の中から、登壇者のみなさんのプレゼンテーションとパネルセッションの模様を中心にお届けします。
(取材・執筆:野本纏花)
 

ロールモデルを見つけることが成長への第一歩

3rd Sessionのホスト役は、新卒から25年あまりのBtoBマーケター経験を持ち、AWS日本法人1人目の社員として、AWSのコミュニティ「JAWS-UG」を立ち上げて来られた小島 英揮さんです。現在はパラレルマーケター/エバンジェリストとして、複数の会社でマーケティングのお仕事に従事されています。



「『勉強になりました』は敗北の言葉」と話す小島さんは、「行動でしか人は変わらない。みなさんも『勉強になりました』ではなく、実際に行動していただきたい」と来場者に語りかけ、すぐさまTwitterで「#BigbeatLIVE」のハッシュタグを付けてセッションへのフィードバックを投稿するところから、行動を起こすよう呼びかけました。

小島さんのキックオフスライドはこちら


3rd Sessionのゴールは、3名の登壇者の話を聞いて、マーケターが持つべき心構えや、ライフとビジネスをインテグレートして楽しむ生き方を自分ゴトとして理解し、”自分がフォローすべきロールモデルを見つけること”です。
会場が爆笑に包まれたパネルセッションに入る前に、3名の登壇者のみなさんについて、それぞれのプレゼンテーションからご紹介します。
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Dropbox Japan株式会社
Growth & Monetization Head of International Strategy 植山 周志さん



Dropboxは世界に5億人以上のユーザーがいるコラボレーションプラットフォームです。無料ユーザーからは一切お金を受け取っておらず、広告も載せていません。個人向けと企業向けにそれぞれ有償版があり、「Dropbox Plus」「Dropbox Professional」「Dropbox Business」という3つのプロダクトを販売して商売をしています。

僕はGrowth & Monetization Head of International Strategyという肩書きで、米国以外の国(非英語圏)におけるオンラインでのビジネスを成長させるミッションを持っていて、今はまずアジアから着手しているところです。今日はマーケターとしての生き方や僕の大事にしていることをお伝えして、みなさんのヒントになればいいなと思うネタを3つほど用意してきました。
 

1. 勝手にアウトプットしたら人生がおもしろくなった

僕はBMXを12歳から始め、国内外の大会で45回優勝しています。でもBMXだけでは、生活が立ち行かなかったので、大学卒業後はビジネスの世界に入りました。

これまでにいろいろなことをやってきたのですが、僕はマーケター向けのイベントで登壇される方のように、素敵なキャリアパスでは全然ありません。僕のキャリアなんて、ドブネズミみたいなものです。自転車で飛んでたくさん頭も打ってきて、おかしくなっていますしね(笑)

そんな僕が創業時のスタートアップに入ったところ、社長から毎日「おまえは論理思考がまったくできてない」と怒られるようになりました。たくさん本を読んでも、結局は何も変わらなかったので、会社に内緒でビジネススクールに通い始めることにしたんです。

入ってみたら僕以外は、みんな賢い人たちばっかりだったんですね。それでも発言のチャンスを見つけては手をあげて、アホな発言で次の人のハードルを下げるという役目を必死にやっていました。


ビジネススクール通い始めの自分のポジション

そうしたら、ある日、ビジネススクールの同期から「おまえExcelのオペレーション速いよね!プレゼン資料もきれいだし。今度Excelの使い方やプレゼン資料の作り方を教えてよ」と言われたので、どうせならその1人に教えるだけではなく、学内でクラブ活動を立ち上げて、レクチャーを勝手に作ってみようと思い立ちました。

それまで“賢いかor賢くないか”の横軸でしか見ていなかったのですが、それ以外にも“インプットorアウトプット”、そして“勝手なアウトプット”という縦軸もあるんじゃん!と、そのときに気がついたんですね。勝手なアウトプットをしていると、自然と目立つようになります。目立つと、突っ込まれることもあるのですが、突っ込まれたことに答えながらブラッシュアップを繰り返しているうちに、だんだんツッコミにも対処できるようになっていきました。


勝手なアウトプットをしてポジションが変化した

そんな風にレクチャーを何度もやっていたら、ビジネススクールを卒業する頃には3つのレクチャーができあがっていて、その後Excel関連の書籍を2冊出版することができたんです。さらに、講演依頼やアドバイザーの依頼もたまにいただくようになりました。勝手にアウトプットをし続けたことで、雪だるまのように面白いことが転がっていったのです。
勝手にアウトプットして、突っ込まれたことを反省して学び、さらにブラッシュアップして、また勝手にアウトプットする。
本当に大事なことは賢い人になることではなく、勝手なアウトプットから始まるこのプロセスをグルグル回しながら、成果を出していくことだったんですね。


賢くなるよりも、このサイクルを回し続けて成果を出すことが大事
 

2. 自分の人生をできるだけ自分でコントロールしたい

ビジネススクールを卒業後、僕は大手日系企業に取締役補佐として転職しました。しかし蓋を開けてみれば、仕事内容はトラブルシューティングと、大変な案件をなんとかすることばかりで、疲弊する一方だったんですね。

そこで、とうとう体を壊しそうになったのをきっかけに、「自分の時間を利用されるのではなく、自分の人生は、自分でコントロールしたい」と考えるようになりました。だってほら、人から言われた仕事をしているだけだと、“人が僕の時間を利用している”のと、同じじゃないですか。

そう考えた僕は、自分の成長に寄与しない仕事は辞めて、次の会社に転職することにしました。今度は、受け身ではなく自分から動きまくって、仕事を楽しむことにしたんです。

上司からのリクエストに対して、期待以上に貢献することで、次からは「おまえに任せておけば安心だろう」と思われるようになるので、自分でコントロールできる幅が増えて行くんですよね。自分の人生ですから、主体的に行動しまくって、コントロールできる幅を増やそうぜ!ってことです。


 

3. 今年のチャレンジ

仕事での挑戦は2つあります。

1つ目は「日本からグローバルへ」ということで、去年までは日本のオンラインでの売上をどう成長させようかというのがミッションだったのですが、今年からは日本だけでなくアジア7カ国を僕が見ることになり、とにかくやるしかないと思って、アクションしまくっているところです。

2つ目は、2年半前に立ち上げた日本のDropboxのオウンドメディアを、リードジェネレーションのマシンにすることです。今のところ、89万PV/月まで成長していて、リードや売上を作るようになってきたので、これをもっともっと成長させていくために楽しんでいます。

そして僕は、体力・知力・精神力・人間力が高い“ありえないおじさん”になりたいと思っているので、プライベートでもいろいろな挑戦をしています。

例えば、健康な内臓を手に入れるために、休肝日を記録して、毎年この月平均の日数を伸ばしていたり、嫁と結婚10周年イベントとして5週間サプリ摂取する断食デトックスをやってみました。その結果、血管年齢が39歳から23歳に若返ったり。他にも、考える力と学び続ける力を鍛えたいので、秋からMITのMicroMastersというオンラインコースで統計・データサイエンスについて学ぶことにチャレンジしようと思っていますし、嫁と「人生でやっておきたいことリスト」を作って実行し始めています。

挑戦しないと、どうなると思いますか?挑戦しないと、失敗しませんよね。挑戦しなければ短期的には不安になりませんが、新たな学びを得難いですから、成長もしにくくなってしまいます。挑戦してリスクを負うから成長するし、成長した分だけ、その後の成功確率がぐっと高まるんですよね。おまけに、実力が増せば、仕事でできることがスケールして、さらに楽しくなるはずです。

みなさんもぜひ自分のコンフォートゾーンから飛び出して、挑戦していきましょう!

植山さんの講演スライドはこちら

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サイボウズ株式会社
ビジネスマーケティング本部 プロモーションディレクター 鈴木 亜希子さん



私は2006年8月1日にサイボウズに中途入社しました。いろいろな製品のプロモーション担当を経て、今はクラウドサービス全般のプロモーション担当をしています。最近は、「Cybozu Days」というサイボウズの総合イベントの仕事や、オフィスのエントランスの内装企画もやっています。

今日はサイボウズのマーケティングチームが何をしているのかということと、働く上で私が大切にしていることについてお話しします。

私の経歴も植山さんと同じく、まったくピカピカではありません。大学を中退して、情報処理系の専門学校に行ったものの、プログラミングに向いていないことに気付いてIT系の販社に入りました。そこでたまたまサイボウズの担当になったのですが、プログラミングなしで簡単な業務システムを作れる素晴らしい製品に感動して、面白いなと思いながら仕事をしていたら、1年ほどで異動することになり、まだサイボウズに未練があったので、転職してきました。

当時は、特にマーケティング志望ではなく、職種は何でも良かったのですが、去年のBigbeat LIVEに登壇した野水が、前職で私の担当営業だったこともあり、野水がマーケティングに異動になるタイミングで、私もマーケティングに入りました。

サイボウズでは、ビジネスマーケティング本部という部署がマーケティングを担っています。私が入社したときは、実務をやっている人は3〜4人しかいなかったのですが、この10年ちょっとの間に、だいぶ大きくなりましたね。

サイボウズの広告クリエイティブで歴史を振り返ってみると、創業の1997年から2000年頃までは、ガンダム世代のアーリーアダプターがターゲットだったので、「ボウズマン」というキャラクターをガンガン押し出していました。その後、2006年〜2009年頃は、社長が変な格好をして広告に出ていたのですが、当時はかなり伸び悩んでいた頃で、あまりいい時期ではありませんでした。この頃、打ち出していた「ガルーン2」は、大企業向けのグループウェアだったので、大企業向けにこの広告はないだろう、と今なら当たり前にわかるのですが、当時はまだボウズマンの成功体験から抜けられていなかったのではないかと思います。



そんな停滞期を経て、2011年に自社クラウド「kintone(キントーン)」をリリースしました。「サイボウズって、あのダサいグループウェアの会社でしょ?」と世の中から見られていた中で、“このままではヤバいのではないか”というのが社内の共通認識としてあったので、思い切ってボウズマンを捨てて、サイボウズの企業ビジョンや提供価値を訴求したり、クラウドベンダーとしての認知を高める努力をしたりして、信頼性を打ち出す方向へと転換していきました。

ちょうど同じ頃に、社長に子供ができて、突然イクメンになったんです(笑)社長がイクメンになると会社はホワイトになるみたいですね。社長が17時に帰るようになったので、それまでブラックな働き方をしていた営業も、今では19時には半分以上いない状態になりました。私はどうしても朝が嫌いなので、昼過ぎに出社して夜まで働いていますが、そんな時差出勤も全然アリなので、良い会社だなと思っています。

私は「楽しいは正義」だと思って仕事をしていますし、40歳で死ぬと思って生きています。何かやろうかどうか迷ったときには、自分が40歳で死ぬとしても、やるのかどうかを判断基準にしているんですね。私は今37歳で、あと3年で死ぬから、大好きな猫も飼いませんし、貯金もしなければ、家も買いません。

仕事環境はなかなかヘビーで、今年の「Cybozu Days」は東京・大阪・福岡・松山の全国4ヶ所で目標の総来場者数8600名を目指す大きなイベントですが、担当は私以外に週1で複業に来ているメンバーがいるだけで、基本は私1人でやっています。結構ありえない業務量で、2016年にはハゲが6個できて、2017年には毎月風邪をひいて、2018年はすでにヘルペスが3回できています。こんなの楽しくなかったら無理です。でも、おかげさまで楽しくやっているので、割と平気です。

では、仕事が楽しい状態とは、どんな状態でしょうか。「やりたいこと」と「やるべきこと」と「できること」が重なっているところが、楽しければ正義だと私は思っています。



「やりたいこと」は次々に変わってくるので、「やりたくないこと」「やるべきこと」「できること」の3つを決めました。
 

<やりたくないこと>

・決められた時間に出社する…朝早く出社したくないのはもちろん、毎日11時に来なさいと決められるのも嫌です。好きな時間に会社に行きたい。
・人材マネジメント…他の人の人生まで背負いたくないので、人材マネジメントはしたくないです。
・毎日スーツを着る…今日もこんな感じなのでスーツは着ません。
・(過度な)社内調整…人の機嫌を伺うような、過度な社内調整は嫌です。どうしてもしなければいけないときは、上司に頼むことにしました。
 

<やるべきこと>

・社長を見る…うちの社長はSNSに考えを垂れ流しているので、ちゃんと見るようにしていますし、意見が違ったら直接言ってみます。あくまでも私はサラリーマンなので、社長の意見に共感できなくなったら、自分が辞めればいいと思っています。
 

<できること>

・プロジェクトリーダー(やばそうなやつ)
・プロモーションに関すること全般広く浅く
・短納期でなんとかする

なるべく自分の得意分野でやったほうがいいと思っているので、「やるべきこと」と「できること」から「やりたくないこと」を除外して、真ん中に来るものを見つけて手を挙げるというのが、私の仕事のやり方です。

鈴木さんの講演スライドはこちら

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株式会社ビズリーチ
事業承継M&A事業部 プロデューサー 青山 弘幸さん



僕がビズリーチに入ったのは2011年の4月でした。それまで新卒で入社したオプトで広告運用だけをやっていたので、事業会社にチャレンジしたくなったのがきっかけです。そこからマーケティング組織を作ったり、キャリトレというサービスを担当したり、ちょうど1年前から「ビズリーチ・サクシード」という事業承継やM&Aのプラットフォームを担当しています。

ビズリーチは約9年間で従業員数1300人弱の会社に成長していますが、これまで事業が大きくなってこれからアクセルを踏むぞというタイミングで異動してきたので、結果として、これまで新規事業ばかりに携わってきました。

僕が大切にしてることは、心のなかの「やりたい!」「なりたい!」を大切にすることと、なりたい姿に近づくために変化し続けることです。これって、好きなことが前提じゃないと、なかなかできないんですよね。嫌いなことを先延ばしにして、好きなことだけをやる。それって、ほんとに大事なことなのではないかと思っています。

今日のテーマはライフとビジネスを分けないということでしたが、“価値あるサービスや製品をつくり、世の中に広げることをやりたい”と心から思っているので、僕はもともとライフとビジネスが分かれていません。

そもそも10数年前にオプトに入った理由が、インターネットとマーケティングを自分のライフとビジネスの軸にしたいというものだったんですね。僕の父は鞄職人で、周りには写真家の友達がいっぱいいました。なぜ彼らの作品が世に広まらないのかというと、売り方がわからなかったり、売る場所がなかったりといったところに原因がありました。そんなときにYouTubeやAmazonに出会って、「インターネットとマーケティングって、すごい!」と思ったのがきっかけでした。



しかし、ビズリーチに転職した当初を振り返ると、本当の意味でのマーケターになるためには、かなりの遠回りがありました。例えば、ビズリーチからキャリトレに異動したときのことです。ビズリーチはハイクラス向けの会員制転職サイトという、今までの転職市場にはなかった新しいビジネスモデルのサービスだったのですが、キャリトレは20代向けの転職サイトというレッドオーシャンにあるサービスです。自分が今までやってきたテクニックなんて、まったく通用しません。そのときに初めてちゃんとマーケティングを勉強して、自分自身でカスタマーサポートをしたり、ユーザーインタビューをしたりして、ペルソナの整理やインサイトの発掘にチャレンジしました。

改めてマーケターの仕事は何かと考えてみると、マーケティングの定義を調べても、いまいちピンと来なかったんです。すると、私のマーケティングの師匠が、「我々の会社には、プロダクトを作るエンジニアがいて、それをお客様に届けるセールスがいる。エンジニアは製品を作れる、セールスは製品を売れる。マーケターは、それ以外の仕事すべて。あるいは、より良い製品になるようフィードバックしていく。こういう働き方がマーケターの仕事だ」と言われて、とてもしっくり来たんです。これって、なんでもやらなきゃいけないという意味で、シリコンバレーのスタートアップでいわれている “Full Stack Marketer”と同じだと思うんですね。なので、今はBUSINESS・TECH・CREATIVEを兼ね備えたFull Stack Marketerを目指して、いろいろなチャレンジをしながら、自分の能力開発をしているところです。



あとは、個人的に写真を撮るのが大好きなので、サイトを作ったり、個展の会場を選んだり、フライヤーをデザインしたり、遊びから学んだこともたくさんあります。新しいことができるようになるのは、とっても楽しいじゃないですか。自分が欲しい能力をちゃんと言語化して、それを狙って取りに行けるようにしておくことが大切だと思っています。結果的に、ライフもビジネスも、社外も社外も、ぜんぶ公私混同しながらバランスを取れるのではないかと思っています。

青山さんの講演スライドはこちら

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後編パネルディスカッションにつづく


※当日の様子は「#BigbeatLIVE」でたくさん発信されています。どうぞご覧ください。
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